高尾 弘の織の技

ねん金綴錦

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東洋と西洋の燦めきが溶け合った「輝きの色」

高尾 弘は正倉院の織物の研究などの実績を買われ、名古屋の徳川美術館から「黄金のねん金袱紗」の復元を依頼されます。500年以上も経過している袱紗は劣化損傷が激しく非常に困難な作業でしたが、糸を紡ぐところから始めて一歩一歩行程を経て、見事復元に成功します。

その後、この技術を更に発展させ、技術を確立したのが「ねん金綴錦(ねんきんつづれにしき)」です。ねん金とは、真綿の糸に金箔を巻きつけて金の糸を作る技法で、高尾 弘はその真綿の糸を様々な色に染め、その色糸を使って金箔を巻きつけたねん金の糸を作り出したのです。糸に太さに差異の出る手引きの糸を使うことによって、細いところにには隙間なく金箔が巻きつけられ、また太い部分は金箔が巻ききれなかった部分の色が表に出てきます。

このように1本の糸の中に金の部分、色の部分と両方の色を持った糸で織られた作品は複雑な色合いを持ち、また光によってよりいっそうその色彩は輝きを放ちます。

「ねん金綴錦」と、経糸(たていと)に色糸を使った「彩ねん金(いろねんきん)」は、共に東洋の繊細な金糸の美しさと西洋の金属の豪華さの両方の特色を併せ持った織物として内外から高 く評価され、桝屋高尾の代表的な作品となりました。

1988年、高尾 弘は、シルクロードの旅で感得した「光と彩と黄金」を、ねん金綴錦の技法を駆使してタペストリーとタブロー(額面)や帯に仕上げ、幻想とロマンに満ちた砂漠の趣を表現することに成功しました。ミキモトホールでの作品展は好評を博し、「色を創作した」とまで評されます。

ねん金綴錦で織られた帯や着物は、手工芸の極みとも言えるもので、格調高い高級感が魅力です。装いの品格を高め、現代の礼装としてふさわしい趣をもち、フォーマルシーンに深い印象を残します。

打掛 ねん金綴錦「梅花祭」
打掛 ねん金綴錦「梅花祭」

几帳 ねん金綴錦「宗達松鶴図」
几帳 ねん金綴錦「宗達松鶴図」

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